宅配クリーニングの効果を最大にする3つのポイント
宅配クリーニングを利用して洋服を綺麗にしたいのであれば、上記の3つのポイントを押さえておけば大丈夫です。
宅配クリーニング業者の洗いの技術や職人技も大事ですし、利用者が洋服の汚れに気付いたりするちょっとしたこともポイントになります。
また、冬物の高価なアウターなどは保管サービスで、洋服に最適な環境で預かってもらうのと洋服の寿命も延びます。
↓上記3つのポイントを満たした宅配クリーニングはこちら↓
宅配クリーニングの効果を高めるポイント1.職人のいる店を選ぶ
クリーニングの効果を最大限に発揮する要素は何かご存知でしょうか?
実は洋服の「検品」にあります。検品とはクリーニングの依頼で届いた洋服の汚れ具合や素材などのコンディションを確認する作業です。
検品でどこにどんな汚れがあり、生地の状態からどんな洗い方をすればいいのか見極めて、最適な洗い方を選択できるかどうかで洋服の仕上がりが決まります。
洗いの作業自体は機械がやってくれたりするのですが、機械に入れる水の温度や洗剤の種類や量は、職人の経験値がものをいうのでクリーニング工場に経験値の高い職人が在籍しているかどうかは大きなポイントになります。
宅配クリーニングの老舗であるリナビスなら、創業56年で多数のクリーニング職人が在籍している店舗でクリーニング作業が行われるのでおすすめです。
宅配クリーニングの効果を高めるポイント2.最適なオプション加工を選ぼう
宅配クリーニングでは洋服にいろいろなオプション加工を有料ですが付けることが可能です。
撥水加工や汗抜き加工など、洋服の種類によっては付けておいたほうが汚れが付きにくくなったり、ニオイが発生しにくくなったりします。
とくに家庭で洗濯できない冬物アウターや、水洗いできないドライクリーニングの洋服などは、撥水加工や汗抜きを施しておくと次回クリーニングに出すまでキレイを保つことができます。
ただ、宅配クリーニングの定額パックでは、各社オプション加工を用意していますが、詰め込んだ洋服すべてに施す仕様になっています。それだとオプション加工の必要のない洋服にまで加工がされてしまうし、料金も余計にかかってしまいます。
宅配クリーニングのリナビスは定額パックでも、洋服一つ一つにオプション加工を設定できるのでおすすめです。
宅配クリーニングの効果を高めるポイント3.冬物は保管してもらう
洋服を綺麗にキープする効果として宅配クリーニングの保管サービスがあります。
冬物のコートやダウンなどは春になるとクローゼットの奥やタンスの奥に収納することになりますが、家庭では湿度や温度管理をしないので、虫食いやカビ、ニオイなどが付いてしまう場合があります。
保管サービスでは、洋服に最適な温度や湿度に設定された洋服専用の倉庫で保管されるので、洗いあがった洋服が綺麗なままキープできます。おまけに自宅のクローゼットのスペースが空くので一石二鳥です。
宅配クリーニングでは有料で保管サービスを選べるところもありますが、リナビスなら保管サービスが標準で付いているのでおすすめです。
[宅配クリーニング/効果]衣類のチェック、検品が大事
宅配クリーニングでは検品の作業がとても重要になります。
検品は汚れや洋服のコンディションを見て、どのように洗うか、仕上げるかを決めるのですが、素材の種類、ポケットの忘れ物、シミの種類などを細かく確認します。
特にボタンが取れかかっていたり、ファスナートップが破損していたり、一部に特殊な素材が使われていたりなど、洋服の持ち主も気づいていないところまでチェックする必要があります。
一般的なクリーニング店では、受付時に検品がされるので利用者とクリーニング店の間で情報の共有がなされますが、宅配クリーニングでは洋服を送った後に検品されるので、送った後に「クリーニングできない」といったことも生じる可能性があります。
つまり、宅配クリーニングの場合は、自分の洋服の状態もある程度、自分でチェックしておくことがトラブルを回避することにつながります。
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クリーニングは汚れ具合と洗濯表示タグで洗い方や効果が決まる
衣類のチェックをする際に参考になるのが「洗濯表示タグ」です。これは家庭用品品質表示法に基づいて、市販されているすべての衣類に付けられています。
「家庭用品品質表示法」は、消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。ー消費者庁より抜粋
洗濯表示タグには、その衣類がどんな種類の生地でできているのか、どのように洗濯すればいいのか、洗濯時の注意点や方法、製造者や製造国などの情報が記されています。
たいていは洋服の裏地に縫い付けられています。クリーニング店の検品ではこの洗濯表示タグも参考にして洗い方を決めています。ただし、洗濯表示タグはあくまでも消費者向けの表示なので、クリーニング工場では素材や汚れを見極めて洗濯表示タグ以外の洗い方を選択する場合もあります。
あと、基本的にはクリーニング店は洗濯表示タグが無いと受け付けてくれません。ですから、マフラーなどタグが見えやすいもので、洗濯表示タグを切ってしまう人もいますが、洗濯表示タグを切ってしまうと生地の種類や洗濯方法がわからなくなるのでクリーニング店で受け付けてくれない場合もあるので、切り取らないようにしましょう。
新しくなった新JISの洗濯表示タグの読み方
平成28年12月1日から衣類等の繊維製品の洗濯表示が新しいものに変わりました。「新JIS」と呼ばれ、WTO(世界貿易機関)のTBT協定により国際規格に準拠したものになっています。
洗濯表示タグは5つの基本記号(家庭洗濯・漂白・乾燥・アイロン・クリーニング)と、そこに数字や付加記号を加えることで表現されています。
以下にそれぞれ読み方を紹介します。
桶に水のイメージの記号は「家庭洗濯」の記号です。中の数字は洗うときの水温の上限温度を記しています。下の横棒は洗いの「強度」を示しており、「線なし>1本線>2本線」の順に洗い方を弱くしたほうがいいという意味です。
手のひらが描いているものは「手洗い推奨」で、バツが付いているものは家庭での洗濯はできないという表示です。
三角の記号は「漂白」を表しています。白抜きの三角は「塩素系漂白剤や酸素系漂白剤が使用できる」という意味です。
三角に2本線が入っているものは「酸素系漂白剤のみ使用できる」という意味で、バツが付いているものは「漂白剤が使えない」という意味になります。
四角は「乾燥方法」を表しています。中の棒線は乾燥する時の状態を表現しています。
「|」は吊り干し、「-」は平干しなので、見た目にわかりやすいですよね。2本線は脱水せずに干すという意味になります。
斜線は屋根と考えるとわかりやすく、「日陰干し」という意味になります。
四角の乾燥記号の中に丸が書いているものは、タンブル乾燥(乾燥機)を表しています。基本的には家庭用の乾燥機を指します。
中の点「・」は乾燥機の温度を表していて「・・」2つは「強」、「・」1つは「弱」という意味です。
バツが付いているものは、「乾燥機は使えない」という意味になります。
こちらは見たまま「アイロン仕上げ」の記号になります。タンブル乾燥と同じように「・」は数によって温度の強弱を表しています。
バツが付いているものはアイロンが掛けられないという意味です。
丸の記号はドライクリーニングの記号になります。記号の中のアルファベットは、溶剤や特殊なクリーニング方法などの表記になっています。
また、下に「-」や「=」などの棒線がつくことがありますが、これは強弱を表します。線が多いほうがより優しく洗うという意味になります。ドライクリーニングの記号は、基本的にはクリーニング業者が確認する記号になります。
ー画像引用:消費者庁公表資料より抜粋
古い旧JISの洗濯表示タグの読み方
新JISの洗濯表示タグはまだ新しくなって間もないので、古い洗濯表示タグ(旧JISと呼ぶ)が付いている衣類もまだまだたくさんあります。
この旧JISは日本独自のもので、日本人が直感的にわかりやすい記号になっています。ただ、新JISのほうがより詳細に情報がわかるようになっているので、情報量としては新JISの洗濯表示タグのほうが利便性は高くなっています。
水洗いができるかどうかの記号は、洗濯機のイラストと、手洗い桶のイラストでわかりやすくなっていました。
数字は液温の上限温度で、「弱」が付いていたら弱く洗うという意味になります。バツが付いているものは水洗いができないという意味です。
新JISの洗濯表示タグでは酸素系漂白剤の記述が増えましたが、以前の洗濯表示タグでは塩素系漂白剤の記述しかありませんでした。
アイロンの記号は「高」「中」「低」で温度があらわされていて、具体的な温度がどれくらいというのはわかりにくかったです。
ドライクリーニングは日本語で「ドライ」と書いているのでわかりやすい表記でした。
旧JISの洗濯表示タグでは、まだ2層式の洗濯機が主流だったときに定められていたので、タンブル乾燥の記述はなく、脱水のみの表記でした。
洋服のイラストは干し方を表していました。ハンガーの有無や「平」という文字で平干しか吊り干しかわかりやすかったですね。
デメリットラベルも確認しよう
衣類には洗濯表示タグのほかにデメリットラベルというものが付いていることがあります。
デメリットラベルとは洗濯表示タグだけでは表現できない、繊維製品の取り扱い上の注意点を説明したものです。デメリットラベルがあることで、より着用時や洗濯時の事故を防止できます。
例えば以下のようなデメリットラベルの表記例があります。
注意素材 説明文 リヨセル(テンセル)・絹 着用中の摩擦により、表面が毛羽立つ恐れがありますので、取扱いには注意して下さい。 起毛製品、獣毛製品 素材の特性上、着用中に他の物に毛羽が付着することがあります。付着した毛羽はセロテープなどで取り除いて下さい。 絹 汗や水などによる色落ちや輪ジミに注意して下さい。虫やカビの影響を受けやすいため、保管の際は湿気を避け、一種類のみの防虫剤を使用して下さい。保管の際は、日光や蛍光灯など光の当たらない場所で保管して下さい。 レーヨン 濃色品は着用時の摩擦や汗により色移りすることがあります。雨や水の濡れた時は、ただちに乾いたタオルなどで押え取り、こすらずにふき取るようにして下さい。 インディゴ 汗や着用中の摩擦で他のものに色が移ることがあります。洗濯の際色落ちしますので、他のものと一緒に洗わないで下さい。 ビーズ・スパンコール 着脱の際、引っ掛けによる糸の切断に注意して下さい。洗濯ネット使用 ポリウレタンコーティング ポリウレタン樹脂は時間経過による劣化が起こり、コーティングの剥離や硬化、べたつきが発生するおそれがあります。長持ちさせるために乾燥した場所で光を避けて保管し、時々風通しして下さい。
宅配クリーニングの洗浄効果と汚れの種類
宅配クリーニングで高い効果を得るには、クリーニングに出す前に洋服の汚れをしっかりとチェックしておくといいでしょう。
もちろん宅配クリーニングの工場でも検品する際に、経験豊富な職人さんが汚れを見極めてくれますが、汚れの種類が事前にわかっていればより最適な洗い方や染み抜き方法を選択できます。汚したのは洋服の持ち主である自分ですから、伝えれることはしっかり伝えましょう。
汚れは大きく分けて、外部から付着するものと、内部(身体から出る分泌物)から付着するものがあります。
また、汚れというのは時間が経てばたつほど落としにくくなります。また、酸化などの化学変化を起こしたり、雑菌の繁殖によって臭いやダメージ、変色などの原因になります。汚れに気付いた時点で適切な対応を取ることが大切です。
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水溶性の汚れ
水溶性の汚れとは、言葉の通り「水に溶けやすい汚れ」ということになります。水洗いで落としやすいということになります。
例えば、食塩・砂糖・スープ・清涼飲料水・酒・コーヒー・ワイン・醤油などが水溶性の汚れとなります。また、体内から分泌する汗や尿などの汚れも水溶性の汚れに分類されます。
汚れがついてからすぐに中性洗剤などを使って水洗いをすれば簡単に落とせる汚れですが、時間経過とともに汚れの水分が蒸発して、塩類や糖、たんぱく質などが蓄積して、雑菌が増えたり、黄ばみなど落としにくいシミになってしまいます。
また、カレーやコーヒーなど色の濃い食品などは、アルカリ性の漂白処理などが必要になる場合もあります。
油溶性の汚れ
油溶性の汚れというのはいわゆる「油汚れ」と呼ばれるものです。水に溶けにくいので、油性の有機溶剤(ドライクリーニング)で油同士をなじませることで落とします。
代表的なものでは、ファンデーションや口紅などの化粧品汚れ、油性インクやクレヨン・クレパス、食用油などです。また、体内から分泌される皮脂や、外気に含まれる油煙、自動車の排気ガスなども油溶性になります。
これらの油溶性の汚れは、ドライクリーニングをすることで落とすことができます。逆に水洗いだけでは落とせない場合があるので、油溶性のシミがある場合は申告して適切な洗浄処理をしてもらうようにしましょう。
不溶性(固形)の汚れ
水にも油にも溶けない汚れを不溶性の汚れといいます。砂やホコリ・鉄粉や泥などの固形の汚れも不溶性の汚れです。
そのほか、墨汁や香水、チューインガム、ボールペンのゲルインク、接着剤なども不溶性の汚れに分類されます。
家庭で落とすのは難しいので、基本的にはクリーニングに依頼するのがいいでしょう。クリーニング店でも特殊な染み抜きなどの処理をする必要が出てくるので、どういう種類の汚れかを覚えておいて正確に伝えるほど洗浄効果は高くなります。
ただし、泥汚れなど物理的な固体の汚れが付きすぎている場合は、そもそも宅配クリーニングでも受け付けてくれない場合があるので、その辺は気を付けたいところです。
その他、特殊な汚れ(血液・でんぷんなど)
上記以外の汚れは特殊な汚れとして紹介します。
まずは血液や肉汁、牛乳、卵などの動物性たんぱく質の汚れがあります。たんぱく質汚れは時間が経過すると落ちにくくなるというのは、他の汚れと同じですが、温度の変化によって性質が変わったり化学変化を起こしたりして、より落としにくい汚れになる場合があります。さらに、カビや雑菌のエサになりやすく、ニオイやシミの原因にもなります。
そのほか、頑固な塗料や絵の具・機械オイルなど樹脂のシミ汚れというものもあります。この汚れは付いてすぐであれば落としやすいですが、乾くとほとんど落ちなくなることが多いです。
クリーニング店でも特別な技術が必要になってくるので、特殊な汚れは事前に相談してから出すようにしましょう。
衣類の素材の種類と特徴|クリーニング効果を高める知識
衣類の素材というのは着用するときのイメージは湧きやすいですが、洗うとどうなるかというのは知らない人も多いでしょう。
生地素材には強度や肌触り、防風性、速乾性、防寒性などさまざまな特徴があり、メリットやデメリットが存在します。
とくにクリーニングや洗濯をする場合には、素材によって水洗いしてはいけないものや、乾燥機にかけてはいけないものというのがあります。それらを洗濯表示タグによって見極めるのも大切ですが、知識として知っておくとクリーニングに出すときにも洗濯をするときにも役に立ちます。
天然繊維
天然繊維というのは、麻や綿、羊毛や絹のように天然の原料から作り出した繊維のことです。
綿や麻などは植物を由来としている植物繊維、羊毛(ウール)や絹など動物を由来としている動物繊維、それから石綿を由来とする鉱物繊維などが天然繊維です。
天然繊維は比較的短い長さの繊維の束(原料)を撚り合わせて1本の長い糸にする紡績という加工を施されています。撚り合わせた繊維は太さや形状がやや不安定になるので、それが天然の風合いを醸し出します。
綿(コットン)
天然繊維の代表とも言っていいのが綿で、最も多くの衣類に使用されています。Tシャツやトレーナー、シャツなどによく利用されています。
吸湿性に優れていて、肌触りもよく、さらに耐久性もあるので、繰り返し洗濯しても風合いが変わりにくいですが、薄いとシワになりやすいという特徴もあります。
また、染色されている綿の洋服は色がだんだんと落ちていきます。
麻(リネン)
人類最古の衣料原料ともいわれていて、古くから人間の繊維製品に使用されています。
リネンは亜熱帯に生息する植物で熱伝導性に優れていて、身体の周りの熱を外へ排出してくれるので、夏の衣類によく利用されます。綿よりも耐久性があり、独特の感触が清涼感を高める要素にもなっています。
しかし、水を含みやすいので、乾燥させると衣類の縮みが起き、さらにシワがつきやすいという欠点もあります。
毛(ウール)
家庭用品品質表示法では動物の毛を使用した場合、品質表示ではすべて「毛」と表記していいようになっています。
ほとんどの場合は羊毛(ウール)が使用されていますが、「毛100%」と表記されていた場合は必ずしも羊毛とは限らないということです。
ウールは繊維の表面を拡大すると鱗状のスケールという構造になっていて、さらに波状のクリンプがあることで、膨らみや弾力性のある衣類になります。空気の層を抱き込み保温性に優れていて冬の衣類によく使用されます。
ただ、水洗いをすると大きく縮んでしまうのが欠点です。さらに虫がつきやすいので保管にも気を付ける必要があります。
毛の種類 | 説明 |
---|---|
カシミア | カシミヤ山羊の羊毛で、繊維が細かく肌触りがよいため高級品に使用されます。繊細なので洗いも丁寧に行う必要があります。 |
アルパカ | 寒冷地に住むアルパカの毛。ウールやカシミアよりも保温性が優れているといわれています。また毛玉もできにくいです。 |
アンゴラ | アンゴラ山羊、アンゴラウサギの毛から作られた繊維。ウールや化学繊維などと混紡されて使用されます。毛が落ちやすい特徴があります。 |
モヘア | アンゴラ山羊、アンゴラウサギの毛から作られた織物です。セーターやショールなどに使用されます。 |
キャメル | フタコブラクダの毛から作られた繊維。きわめて希少で高級な繊維です。 |
絹(シルク)
絹は蚕が口から吐き出して作った繭から取り出した繊維で、動物繊維の中で唯一長い糸で取ることができます。
非常に軽くて柔らかく、光沢感があり、さらに保湿性と吸湿性にも優れています。しかし、シミになりやすかったり、紫外線によって変色しやすいということから取り扱いが難しい素材のひとつです。
家庭で洗濯することも難しいのでクリーニングに出すのが一般的です。高級な素材なので高級ブランド品や着物などによく使用されています。
化学繊維
化学繊維はその名の通り、化学的に作り出された繊維のことを指します。原料の違いによって再生繊維、合成繊維、半合成繊維、無機繊維に分かれます。
化学繊維は人工的に作り出せるので、安定した均一の太さや形状の繊維にすることができます。そのため生地のキメが細かいツヤっとしたものを作り出すこともでき、さらには機能性も付加しやすく、強度や耐久性もあります。
天然繊維より作る手間やコストが安いため、いろんな衣類に幅広く使用されています。
天然繊維も化学繊維もどちらか一方を使うということもありますが、組み合わせて洋服を構成している場合もあります。
再生繊維 | レーヨン・ポリノジック・キュプラ・リヨセル |
---|---|
合成繊維 | ポリエステル・ナイロン・アクリル・ポリウレタン |
半合成繊維 | プロミックス・トリアセテート・アセテート |
レーヨン
木材パルプを原料とした繊維で、成分的には綿や麻と同じセルロースになります。植物が原料なので、綿と同じように吸湿性や吸水性に優れた特徴を持っています。
独特の光沢があり、発色性もありますが、水に弱い特徴があるので、家庭で洗濯するのは難しい素材の一つです。
また、伸縮性が少なく、シワになりやすいという特徴もあります。
ナイロン
ナイロンの特徴は摩耗性や耐久性が強く、吸湿性も低いので速乾性があり、家庭での洗濯も簡単です。また、型崩れや伸び縮みすることもないので扱いやすい生地として重宝されています。
とくにウインドブレーカーやスキー・スノボウエアなど水を弾く用途のスポーツ衣類に多く用いられています。
最近ではナイロン66というさらに強度を高めた繊維も開発されていて、リュックやボストンバッグ、ビジネスバッグなどに使用されることも増えています。
ポリエステル
ポリエステルは石油由来の繊維で、非常に強度が高く、さらに摩耗にも強いです。吸湿性も少なく速乾性に優れていて、縮みにくいのも特徴です。
熱を加えると軟化し、冷ますと硬化する熱可塑性があるので、プリーツ加工などの折り目がつきやすく取れにくいというメリットがあります。
ポリエステルは綿などと混紡することで、強度を補ったりもできるのでワイシャツやセーターなど一般的な衣類に使用されるほか、寝具やインテリアカーテンなどにも幅広く使用されています。
アクリル
アクリロニトリルを主成分としている繊維で、ウールの代用品として開発された化学繊維です。
ウールと同様に空気層を作りやすく保温性に優れています。しかし、ウールほど保温性は高くはありません。ウールと混紡して使用して、保温性を高めて使われることも多いです。
また、ニットやセーターのほか、フェイクファーや毛布、タオル、靴下などにも使用されています。
ポリウレタン
ポリウレタンは伸縮性のあるものに使用されます。スポーツウエアやアンダーウエアなどに使用されることが多いですが、最近ではストレッチ素材のパンツなどにも利用されています。
また、繊維ではないですが、合成皮革もポリウレタン樹脂がコーティングされることで革の風合いを再現しています。合成皮革に使用されるポリウレタン樹脂は加水分解されて経年劣化を起こすので寿命が短いのが欠点です。
[宅配クリーニング/効果]衣類の種類や汚れによって洗い方が変わる
宅配クリーニングで洋服が綺麗になるかの効果は、汚れに合わせた洗い方を行うことで変わってきます。
クリーニング工場では衣類の検品時に、汚れの度合いやシミの状態などをしっかりとチェックして、汚れに合わせたクリーニング方法を決定します。
それは洋服の生地の素材や洗濯表示タグだけでなく、長年培ってきた経験と知識によって導き出されます。洗剤の種類や量、洗うときの水温など、これらを最適なものにするには高い技術力が求められるのです。
宅配クリーニングを選ぶときにも、技術力の高い職人がいるかどうかは大きなポイントとなります。
水洗い(ランドリー)によるクリーニングの洗浄効果
水洗い(ランドリー)は、家庭の洗濯機で洗うのと同じように水を使用した洗い方ですが、クリーニング工場では「水」ではなく「温水」を使用します。水洗いは特に水溶性の汚れを落とすのに適していますが、温水にすることで、より汚れを浮かしやすくします。
水洗いはワイシャツやシーツなど、比較的水への耐久性がある素材の衣類については大型の業務用ドラム型洗濯機で専用の洗剤や補助剤(アルカリ剤など)を入れて洗います。
ただし、染色されている生地や繊細な衣類の場合は、水の温度を下げたり、弱い設定で回したりと技術も必要になります。
汚れを見極めて適切や洗い方を実践するので、宅配クリーニングに出す側としてはシミなど目立つ汚れの原因などを詳しく伝えると、より効果的に汚れを落とすことができます。
ドライクリーニングによる洗浄効果
ドライクリーニングは石油や灯油などの有機溶剤を使用して汚れを落とすクリーニング方法です。
ドライクリーニング専用の洗濯機に入れて溶剤で洗います。溶剤は油性なので、油溶性の汚れ(皮脂や脂汚れ、化粧汚れなど)をすっきり落としてくれます。クレンジングオイルでメイクを落とす原理をイメージするとわかりやすいでしょう。
また、ドライクリーニングは水を使用しないので、吸湿することで発生する縮みが起こりません。洗い方も優しいので生地も傷めにくい洗い方です。
ただ、汗などの水溶性の汚れを落としにくいというデメリットもありますが、全く落とせないということではなく、一般的な汚れ程度なら十分に落とせます。水溶性汚れがひどい時は、ドライクリーニングとウェットクリーニングを組み合わせることもあります。
【ドライクリーニングに使用する溶剤】
溶剤の種類 | 説明 |
---|---|
パークロエチレン | テトラクロロエチレンとも呼ばれ、有機物質に指定されています。揮発しやすく短時間で洗いあげることができます。 |
石油系溶剤 | ドライクリーニングでは、国内で一番使用されている溶剤で、生地に優しくデリケートな衣服のクリーニングに向いています。 |
フッ素系溶剤 | フッ素系溶剤は低温でも服が乾燥します。オゾン層破壊物質なので製造は2020年までとなっています。 |
ウェットクリーニングによる洗浄効果
ウェットクリーニングは本来水を使用しないドライクリーニングで洗うべき衣類を、水を使った洗い方で洗浄する方法です。
例えば夏に着用したスーツに水溶性の汗汚れがしみ込んでいる場合、ドライクリーニングでは完全に汚れを落とすことが難しいので、水を使用するウェットクリーニングを行うという具合です。
そのほかドライクリーニングをすると衣類の一部が取れる恐れがある(樹脂プリントなど)場合や、水洗いできるものでも耐久性が弱くなっていてドラム型洗濯機に入れられない場合などもウェットクリーニングが施されることがあります。
宅配クリーニングではオプション加工の「汗抜き」などがウェットクリーニングにあたります。
本来水洗いしないものを水洗いするので、洗剤の選び方、水の温度、洗いの強弱、乾燥・プレス仕上げのそれぞれの工程に高い技術が必要になってくるので、クリーニング店によって仕上がりに差がでることがあります。
特殊クリーニングによる洗浄効果
家庭では洗えないもの、または洗うことを前提に作られていないものをクリーニングすることを「特殊クリーニング」と呼ぶことがあります。
皮革製品や毛皮製品、カーペットやバッグ、靴、着物など、水洗いもドライクリーニングもできないものが対象になります。
衣類向けの宅配クリーニングで特殊クリーニングを扱っていることはあまりなく、それぞれ専用の宅配クリーニングサービスが別途存在するという場合が多いです。
バッグ | ファスナーやほつれなどを修理し、ほこりなどの汚れからシミの除去、色の補色など、洗うというよりメンテナンスに近いクリーニングです。 |
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靴・ブーツ | 足は意外と汗をかきやすく、しかも靴の中は蒸れるのでカビや雑菌などでニオイの原因になりやすいです。靴の汚れを落とし、修繕・補色、抗菌防臭加工などが施されます。 |
皮革 | 擦れや傷の補修、変色の補色、カビやシミの除去などを行い、専用の溶剤で洗いあげます。 |
毛皮 | パウダークリーニングなど液体を使わない特殊なクリーニング方法で洗います。 |
着物 | 着物専用の溶剤で丸洗いする「京生洗い」や着物をバラバラに解いて洗う「洗い張り」などの方法で風合いを損なわずに洗います。 |
[宅配クリーニング/効果]オプション加工で衣類長持ち
宅配クリーニングは洋服の寿命を延ばす効果を得られる「オプション」が多数用意されています。これは各社種類が異なっているので、必要なオプションがあるか事前に確認しましょう。
洋服に最適なオプション加工を施すことで、汚れが付きにくくなったり、型崩れしにくくなったり、綺麗な風合いを長持ちさせたりする効果が得られます。
オプション加工は別途追加料金がかかりますが、追加料金を支払うことで、綺麗な状態が長持ちするのであればクリーニング回数が減り、結果的にコストパフォーマンスが良くなることもあります。
関連記事:宅配クリーニングの賢い使い方
宅配クリーニングの染み抜き加工
宅配クリーニングではほとんどの場合、基本的な染み抜きは無料となっています。この場合のシミは水溶性の汚れや油溶性の汚れで、比較的時間が経っていないものに限られています。
最初にシミの状態を確認して、油溶性のシミは特殊な洗剤を使って汚れを浮かせます。そのあとスチームを使って水溶性の汚れと一緒に取り除きます。
それでも取り切れなかったシミは、漂白剤を使用して色素を脱色して仕上げていきます。ただし、これは基本的な染み抜きの方法で、汚れの種類や洋服の素材によって適宜変更されます。
有料になる特殊な染み抜きは、主に不溶性の汚れのシミになります。カビや塗料、墨汁などは通常の染み抜きでは取れないので特殊な方法で染み抜きしなければなりません。それでも状態によっては薄くなる程度にしかならない場合もあります。
宅配クリーニングの撥水加工の効果
撥水加工は水や汚れを衣類につきにくくする加工のことです。繊維の表面にフッ素樹脂でコーティングをすることで、水の分子を繊維に入り込ませないようにします。
撥水加工の方法は、加工剤(フッ素樹脂)を衣類にかけた後に乾燥機で熱を加えます。熱を加えるとフッ素樹脂が衣類にまんべんなく広がり撥水加工が全体になじみます。
撥水加工はとくにアウター(コートやダウン)に使用しておくと、汗や汚れが付きにくくなって洋服が長持ちします。また、水や雪に触れやすいスノボウエアやスキーウエアなどに施しておくと水がしみ込みにくくなります。
逆にニットやセーターなどのウール製品は撥水加工をすると風合いを損なってしまうので避けたほうがいいでしょう。それから肌に直接触れる汗を吸収してほしいTシャツやワイシャツ、ブラウスなども撥水加工は向きません。
宅配クリーニングの汗抜き処理の効果
汗抜き加工はその名の通り汗が染みついた汚れを落とす加工のことです。
汗は水溶性の汚れなので水洗いすれば落ちるのですが、ドライクリーニングでは完全に落とすことが難しいのです。そのためドライクリーニングしかできない衣類を、クリーニング店の高い技術で風合いや型崩れを起こさないように丁寧に水洗いすることを「汗抜き」といいます。
例えば毎日着用する学生服や、スーツのジャケットなどは、インナーにシャツなどを着ているとは言え、毎日着用することによって汗の汚れが蓄積していきます。
蓄積した汗汚れはドライクリーニングでは完全に取り切れずに、しばらくすると残った汗の汚れに雑菌が繁殖し、ニオイなどの原因になってしまいます。
汗抜き加工をしておけば、あまり洗う回数の多くない学生服やスーツの上下などが清潔に長持ちします。
プリーツやスラックスの折り目加工
スーツのスラックスのセンタープレス(センタークリース)や、プリーツスカートの折り目などを取れにくくする加工が「折り目加工」です。
通常のクリーニングでもセンタープレスやプリーツの折り目はプレス仕上げで付くのですが、それはただ折り目を付けているだけなので雨に濡れたり、長く着用していると取れてきてしまいます。
オプションとして有料になっている折り目加工は、プレスするだけでなく特殊な溶剤を塗布して、折り目がすぐに取れないように加工するものです。
自宅でスラックスに折り目をアイロンで付ける手間も省けるので、時間の節約にもなります。折り目加工の方法にはリントラク加工とシロセット加工という2種類の方法があります。
リントラク加工
リントラク加工は、折り目の裏側に特殊な樹脂を付けて、折り目の形状を維持する加工を施すものです。繊維は水に濡れると膨らんで形状が変わりますが、リントラク加工をしていると乾燥すれば折り目が元に戻ります。
リントラク加工はウールやコットンの素材に施すことができます。逆にモヘアやベルベットなどが含まれる衣類や、生地が薄い衣類には樹脂が表面に出てしまうため加工できません。
リントラク加工は一度施せば、1シーズンから場合によっては1年程度効果が持続します。
シロセット加工
シロセット加工は、折り目部分に特殊な薬液を付けて、繊維の形状をクセ付ける加工のことです。リントラク加工と同様に水に濡れても、乾けば元の折り目に戻ります。
シロセット加工は主にウール素材に使用されます。ウール混でもシロセット加工は可能で、その場合はウール混率が少なくとも10%以上は必要とされています。ウール混率についてはシロセット加工を行っているクリーニング業者ごとに基準が異なるので問い合わせてください。
シロセット加工の持続効果は、リントラク加工と同様1シーズンから1年になります。
臭いが気になるなら消臭抗菌加工
消臭抗菌加工は衣類に防臭剤や抗菌剤などをコーティングして、臭いの原因となる菌を寄せ付けないようにする加工です。
タバコや汗、ペットなどの匂いが普段から気になる場合にはおすすめです。
ただし、効果はクリーニング各社ごとに異なり、無料のところもあれば、有料で持続効果が長いものもあります。そのあたりの差があるので一度試してみて効果を実感できるかどうか確認するのが良いでしょう。
衣類のカビはカビ抜き処理で取り除く
湿気のあるクローゼットなどに長期間衣類を保管しておくと、衣服の表面にカビが発生することがあります。このカビを取り除くオプションを「カビ抜き」といいます。
衣類のカビには2種類あって、「白カビ」と「黒カビ」があります。
「白カビ」はスーツやコートなどに発生することがありますが、表面にフワッとついているだけなので通常のクリーニングで簡単に落ちます。
問題は「黒カビ」です。黒カビは汗などが染みついたワイシャツなどを長期間放置すると発生するような黒いシミのようなカビで、枕や布団の裏などに発生することもあります。
この黒カビは通常のクリーニングでは落ちないので、特殊なカビ抜き処理が必要になります。
防虫・防ダニ加工の効果
ウールなど天然繊維はしばしば虫のエサになったりします。クローゼットやタンスようの防虫剤が市販されているのもこのためです。
防虫加工は洋服に防虫効果のある溶剤でコーティングすることで虫を寄せ付けないようにする加工です。
衣類を食べる虫には、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、イガ、コイガなどがあります。これらの虫は柔らかい天然繊維のカシミアやシルク、ウールなどを好みます。
防虫加工を施しておけば、次にクリーニングに出すまで効果が持続するので安心です。ただし、防虫効果は防虫加工を施した洋服のみに効果があるので、タンスに入れてもタンス全体を防虫するわけではありません。また、防虫加工は洋服を着用するたびに効果が薄れてくるので、市販の防虫剤と併用するのが効果的です。
宅配クリーニングの花粉ガード加工
花粉ガード加工はその名の通り、衣類に花粉がつきにくくする加工です。衣類の表面に特殊加工を施し、静電気を防止することによって花粉を付着しにくくする加工になります。
花粉は目には見えないですが、シーズンになると洋服に付着して、そのまま室内に入り込みアレルギー症状を引き起こします。
玄関に入る前に花粉を払い落すのがいいのですが、はたいても繊維の奥に入り込むだけであまり落とすことはできません。花粉ガード加工をしておくと、花粉は繊維の奥には入り込まず表面にゆるくくっついているだけなので、軽くはたくと落ちるようになります。
コートやセーターなど花粉が付きやすくて落としにくい衣類に向いています。持続効果は2ヵ月ほどあるので、花粉症の人はシーズン中だけでも花粉ガード加工を施しておくといいでしょう。
白をより白くする漂白加工の効果
ワイシャツやブラウスなどは白が多いですが、経年と共に黄ばみやくすみが気になってきます。そういった洋服を漂白加工することで、新品のころの白さを取り戻すことができます。クリーニング店によっては「復元加工」や「リファイン加工」などと表記している場合もあります。白衣やコックコート、シーツなどにもおすすめです。
[宅配クリーニング/効果]仕上げの種類
クリーニングの品質を決めるのが仕上げの工程です。この仕上げが家庭ではできない技術が詰まっていて、クリーニング各社の腕の見せ所といっても過言ではありません。
仕上げは衣類の乾燥から、プレス(アイロン)、たたみ方、返却されるときの包装という工程があります。
最近では機械化も進み、プレスなどは人体型の仕上げ機に着せるような感じでプレスが自動でされるものもあります。ただ、洋服というのは1点1点風合いが異なりますし、デザインや素材も異なるので、手仕上げの技術も要求されます。
衣類が返ってきたときに仕上げが綺麗だと本当にうれしくなりますよね。
クリーニングの仕上げ効果を決める乾燥工程
自宅で洗濯物を乾燥させる方法は、乾燥機にかけるか、外で干す、または部屋干し、あるいは浴室乾燥機などを使用するのではないでしょうか。
クリーニングでも乾燥の方法はさまざまあり、しかも洋服によってそれらを組み合わせて最適な方法を取っています。最適な方法かどうかは確かな経験と技術がいるので、クリーニング各社でも差が出る部分です。
乾燥の工程は大きく分けると乾燥機などの機械を使う方法か、機械を使用しない自然乾燥になります。乾燥機は早く仕上がりますが、生地に負担がかかります。自然乾燥は生地に負担はないですが、納期に時間がかかりますし、場所も取ります。
納期や洋服のコンディションによって、2つを組み合わせることもあります。
乾燥機を使う方法
乾燥機のメリットは何と言っても短時間で大量の洋服を乾かすことができるということです。
コインランドリーにあるよりも容量の大きなドラム型の乾燥で衣類に温風を当てながら乾燥させます。乾燥機にはガス式や蒸気式があり、家庭の洗濯乾燥機よりもパワーがあります。
完全に乾燥させると縮みや型崩れの原因になるため、クリーニング工場では半乾きの状態まで乾燥機をかけて、そのあと自然乾燥をするなど、できるだけ衣類に負担をかけないように工夫しています。
また、ドラム型の乾燥機以外でもハンガーに吊るした状態で静止したまま乾燥できるタイプの乾燥機もあり、衣服に負担をかけずにかつ短時間で優しく乾燥できるものもあります。
クリーニング店や宅配クリーニングでも利用者が乾燥機を見ることはできないので、どういった乾燥をしているのかは問い合わせるか聞くしかないですが。
自然乾燥
乾燥機を使わずに自然に乾燥させるのが自然乾燥です。家庭で言えば「部屋干し」ということになります。
ただ、部屋干しと異なるのは衣類にとって最適な環境が整った乾燥室というところで乾燥させている点です。家で部屋干しをすると生乾きの匂いがしたりすることがありますが、そういったことが無いように温度や湿度、清潔さを管理した場所で自然乾燥させます。
自然乾燥のメリットは何と言っても生地を傷めず、型崩れや縮みを起こしにくいということです。型崩れや縮みは水分が急激に蒸発したり温度の変化が激しいと起こります。自然乾燥することで繊維から水分がゆっくりと蒸発していくので形状変化が起きにくいというわけです。
ただ、自然乾燥には当たり前ですが、時間がとてもかかりますし、加えて干す広い場所も必要になります。だから、都会のクリーニング工場などでは難しくなります。
クリーニングの良し悪しを決めるプレス工程
プレスというのはアイロンでシワを伸ばす工程になります。ワイシャツのイメージがありますが、スーツのジャケットやスラックス、スカートから、ダウンジャケットまであらゆる衣類でプレスは行います。
ワイシャツなどは今はほとんど機械でプレスしているところが多く、オプションで「手仕上げ」を選んだりすることができます。
プレス機でも十分に仕上がりますが、洋服は一つ一つ微妙に形が違いますから、細かいところまで完璧にプレス仕上げするのは難しいです。といっても、どこができていないのかは素人ではわからないレベルには仕上がるので、高級なワイシャツでもない限りはプレス機で十分です。
手仕上げはやはり熟練の経験と技術が必要なので、クリーニング店によって差が出る部分になります。
プレス機で仕上げる場合
プレス機というのは自動で機械がプレス(アイロン掛け)をしてくれるものです。
ただ、洋服は身ごろ、襟、袖など複雑な形状をしているので、1つのプレス機ではできません。ワイシャツの場合、主に3種類のプレス機を使うことで、プレス仕上げを行っています。
まずはカラーとカフスの部分だけをプレスするプレス機にかけます。次に腕の付け根から袖口までをプレスするプレス機にかけます。最後に胴体部分の前と後ろをプレスするプレス機にかけて、1枚のワイシャツが仕上がります。
ワイシャツをプレスするだけで3台のプレス機を使用するのは手間のように感じますが、1時間に70枚~100枚くらい仕上げることができるので効率は非常によくなります。
その他ズボンやスラックス専用のプレス機などもあります。
手仕上げする場合
スーツのジャケットやスラックス、スカート、コート、ダウンジャケットなどは手仕上げでプレスすることがほとんどです。
特にスーツのジャケットは立体的なシルエットを作るのに高い技術が必要になってきます。テーラーの仕立てでは、「くせ取り」「いせ込み」「追い込み」といった技術があり、着用してついたクセを直し、生地本来の柔らかさを復元し、まるで今仕立てたかのような綺麗な仕上げをすることが求められます。
スーツのジャケットは特にパーツが多く複雑な構造になっていて、芯や裏地、襟や肩の丸み、立体のイメージを考えながらシワを伸ばしていかなければなりません。
また、ダウンジャケットなどのプレスにも技術が必要で、ダウンジャケットの場合はシワを伸ばすほかに、中のダウン(羽毛)が束にならないようにふんわりさせるテクニックもあります。
いずれにせよ手仕上げのプレスは時間と技術が必要なので、クリーニング代にもそれが反映されています。
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届くまで洋服を守る包装の効果
宅配クリーニングでは特に包装について心配な部分があります。クリーニングで仕上がった洋服は一旦宅配業者を経由して、自宅に届くため、梱包時にシワなどがつかないか気になりますよね。
宅配クリーニングでも基本的には一般的なクリーニング店と同様に、ワイシャツなどはたたみ仕上げか吊るし仕上げですし、アウターやジャケットなどはハンガーにかかった状態で届けられます。
宅配クリーニングの業者やオプションによっては、ハンガーに吊るしたままの状態で梱包・配送してくれるサービスもあります。包装の良し悪しで仕上がりの印象は大きく変わるので大事な工程のひとつです。
たたみ仕上げ
たたみ仕上げというのは、ワイシャツなどを畳んだ状態で包装され、返却される仕上げ方法です。
そのままワイシャツをタンスにしまいたいとか出張に持っていく場合や、畳みシワが気にならない場合などに選択します。
たたむ方法は手で畳む場合、畳み専用の台の上で行います。ガイドがあるので誰でも簡単に素早くたたむことができます。また、完全に自動でたたむ機械もあり、ワイシャツをセットすればたたみから包装までできます。
基本的にはたたみ仕上げのほうがやや手間がかかるので、吊るし仕上げより高いことが多いです。
ハンガー吊るし仕上げ
ハンガー吊るし仕上げというのは、ハンガーに吊るされた状態でビニール袋で包装する仕上げ方法です。
ハンガーが付いているので、そのままクローゼットに吊るすことができますし、たたみじわができないので、綺麗な状態で着用できます。
クリーニング店としてもプレスのあと、ハンガーにかけて包装する機械に入れるだけなので手間がなく、たたみ仕上げより安価な設定になっていることが多いです。
宅配クリーニングの場合はハンガーに吊るした状態ですが、ゆるく二つ折りにされて梱包されていることが多いので、たたみシワを気にする人は、ハンガーボックスなどのオプションを利用すると良いでしょう。
クリーニングの効果が感じられないときは再仕上げ
宅配クリーニングでも仕上がりに納得がいかない場合には無料で再仕上げをしてくれるところがほとんどです。
しかし、何でも再仕上げをしてくれるわけではないので注意が必要です。特に以下については再仕上げができないことが多いです。
関連記事:宅配クリーニングの安全性とトラブル
- 洋服が届いてから日にちが経ちすぎている
- 無料染み抜きでは落ちない染みが残っている
- 配送中にシワができた(吊るしておくと戻ることがほとんど)
- 経年によるプリーツの消失(折り目は永久的につくものではないため)
- 洋服に手を加えてリメイクしたり、生地の風合いを変えてしまっている場合
トラブルを予防するためには、クリーニングに出す前に洋服がどんなコンディションだったかをしっかりとチェックして、できれば写真に撮っておいたりするといいでしょう。
また、洋服が戻ってきたときには仕上がりをすぐに確認して、再仕上げを依頼する場合はできるだけ早く連絡しましょう。